geneの動画配信サービスは、居ながらにしてリハビリテーション・看護・介護の現場で出会う多数の問題について、目と耳の両方から深く学ぶことのできる得難い機会を提供していると思います。 私もお誘いを受けて、「ICF」、「リハビリテーションの歴史」、「高次脳機能障害」、「障害の受容」のテーマで収録させていただきました。 いずれも講演会・学会などでご要望が多く、お話ししたり書いたりする機会が多いテーマですが、それを一層多くの方々に視聴していただけるのは嬉しいことです。 新たにリリースされる「はぐくも」のプログラム全体はリハスタッフの他、看護師、介護士の専門職の学習ニーズに応えるべく、豊富な内容を含んでおり、今後ますます充実していくものと思います。 ご努力・ご精進に期待します。

2019年末から続くコロナ禍の中で、いまだ予断を許さない状況があります。 自然災害も様々な様相を呈して市民生活を脅かし、さらには国内外情勢における深刻な事態が発生しています。 人々の命と健康を守る医療の使命をもって、日々、患者さんやご家族に対するケアに携わる皆さんは、たとえ想定外のことが起こっても、最善の判断力と行動力をもって粛々と遂行しています。 しかし、ケアする側も生身の人であり、心身の健康状態にバランスを崩すこともあれば、ケアの実践が鈍ることもあります。 今、ケアの日々の中でフッと、そんな自分の置かれている状況に気づくこともあるでしょう。 そんな中で、自分の健康状態を調整しつつ、ナースタディで気軽に学ぶ機会を作り最新の情報を入力して更新し、自分の中のレジリエンスを強化し、周囲を俯瞰しながら自分の立ち位置でできること、一つ一つ取り組んでいきましょう。

現在、介護現場の運営では、「人手不足（職員の定着率向上）」「チーム作り（職場環境の充実）」「経営安定（サービスの質向上）」が課題となっています。 ここ2・3年のコロナ禍の影響により、会議・研修・面会などの制限を受けるなか、この課題はそれぞれにおいて深刻化しています。 不安定な状況のなか、この課題を打破する方法として、オンラインでの介護研修を提案させて頂きます。 介護業務の問題を日常業務の現場で直接指摘すれば、働きにくさが残ります。 介護の疑問を現場で直接話し合うと、人間関係に支障が出ます。 サービス向上を直接提案すると、感情的な反発が生まれます。 日常業務から離れて、『講師』という『いつもと違う人』の言葉・事例・考え方・新しい取り組みを働く仲間と一緒に、働く場所で聴く。 そこから広がる「私の介護」の可能性を職員皆様に届けることができるのが、オンライン研修です。 この新しい研修体系を職員の元気な介護につなげます。

今後、E－Learningは以下の理由で拡大されることは確実です。 理由の一つ目は、コロナ感染症の経験から、インターネット活用によって時間やコストを大幅に減少できることが社会的に認知されたことにあります。 二つ目は理学療法士等の働き方が多様化し、決まった時間と場所でしか研修を受けることができないのは全く不適合であったという点です。 三つ目の理由はE－Learningは社会的・学問的な変化に速やかに対応できるという点にあります。 ただし、E－Learningをより有効にするためには優秀なチューターが不可欠であると考えます。 知識と技術の両立が求められる我々の分野においては、E－Learningで十分な知識を得ることは可能です。 その上で対面研修の併用等、技術教育に適応した新しいシステム構築を期待します。