言語聴覚士(ST)の離職率は高い?主な退職理由と長く働ける職場の選び方を徹底解説

言語聴覚士(ST)の離職率は高い?主な退職理由と長く働ける職場の選び方を徹底解説

言語聴覚士(ST)の離職率は、公的統計では職種単独の数値を確認しにくい状況です。本記事では、関連データをもとに退職につながりやすい理由と、長く働ける職場を見極めるポイントを解説します。

この記事でわかること

  • ST単独の離職率は公的統計では確認しにくく、関連データを参考にする必要がある
  • 給与水準への不満・業務負担・若手時代のミスマッチが退職理由になりやすいこと
  • 有効求人倍率4.26倍という需要の高さを踏まえた職場選びのポイント
  • 教育体制や研修環境の充実度が定着率につながる理由

言語聴覚士の離職率に関するデータの実態

言語聴覚士の離職率を調べようとしても、ST単独の統計データは公的統計では確認しにくい状況です。ここでは、関連する統計情報を整理し、STを取り巻く雇用環境の全体像を把握しましょう。

ST単独の離職率データを確認しにくい現状

厚生労働省が公表する「雇用動向調査」では、産業別の離職率は確認できますが、PT・OT・STといったリハ職種別の離職率は集計されていません。医療・福祉分野の離職関連データは参考になりますが、これらの数値はSTに特化したものではなく、あくまで関連データとして捉える必要があります

看護職の離職率は日本看護協会などの調査で公表されていますが、リハ職では同じ粒度の職種別データを確認しにくい状況です。データがないことが「離職率が低い」という根拠にはならない点に注意してください。

有効求人倍率4.26倍が示す需要の高さ

厚生労働省の職業情報提供サイトによると、令和6年度のSTの有効求人倍率は4.26倍です。求人倍率が高いことから、STは人材確保が難しい職種の一つと考えられます。

STはPTやOTに比べて従事者数が少ない傾向にあり、職場によっては採用や配置に課題が生じやすい職種です。高齢化に伴い、摂食嚥下障害や認知症リハへの対応ニーズが高まるなか、人材確保が難しい状況は今後も続く可能性があります

ライフイベントによる影響

言語聴覚士は女性比率が高い傾向にある職種です。そのため、結婚・出産・育児といったライフイベントに伴う働き方の変化が、離職や転職のきっかけになることがあります。

ただし、これはSTに限った話ではなく、医療・福祉分野に共通する課題です。柔軟な勤務形態や復職支援の整備が、離職防止の鍵になります。

指標 ST関連データ 補足
有効求人倍率(令和6年度) 4.26倍 job tag掲載のハローワーク求人統計データ
人材数の傾向 PT・OTより少ない傾向 配置人数や採用難に影響しやすい
女性比率 高い傾向 ライフイベント支援が重要
年収 443.6万円 令和7年賃金構造基本統計調査を加工したjob tag掲載値

言語聴覚士が退職を考える主な理由

ST特有の退職理由を直接裏付ける大規模調査はありませんが、現場の声や関連データから、退職につながりやすいいくつかの課題が浮かび上がっています。管理者としてスタッフの定着を考えるうえで、これらの背景を把握しておくことが重要です。

給与水準への不満

厚生労働省の職業情報提供サイトでは、STの年収は443.6万円と示されています。職場によって昇給制度や手当の内容に差があるため、給与水準への不満が転職を考えるきっかけになる場合があります。

経験を重ねても昇給やキャリアの見通しが立ちにくい環境では、モチベーション低下や転職を考えるきっかけになる場合があります。訪問看護や医療・福祉領域への転職で、働き方や収入条件の見直しを図るSTもいます。

新卒・若手時代のミスマッチ

新卒STが「仕事ができない」「臨床に出る準備が足りなかった」と感じ、早期に離職を考えるケースがあります。養成校での学習内容と現場で求められるスキルのギャップは、どのリハ職にも共通する課題ですが、STの場合は1施設あたりの配置人数が少なく、先輩からの指導を受けにくい環境もあります。

PT・OTと比べて同職種の同僚が少ないため、臨床上の疑問を相談できる相手が見つからず、孤立感を抱えやすくなります。教育体制が整っていない職場ほど、若手STの早期離職リスクが高まるといえます。

人手不足がもたらす業務負担の増大

有効求人倍率の高さから、STは採用ニーズの高い職種と考えられます。高齢化の進展で摂食嚥下障害や高次脳機能障害への対応ニーズが高まる一方、職場によっては十分な人員配置が難しい場合があります。

その結果、一人あたりの担当件数が増え、カルテ記載やカンファレンス準備などの間接業務も積み重なり、心身の疲弊につながることがあります。特に訪問看護など在宅支援の領域では、訪問スケジュールを踏まえた時間管理が課題になりやすいでしょう。

  • 1施設あたりのST配置人数が少なく、代替要員の確保が困難
  • 摂食嚥下・高次脳機能障害・小児領域と求められる専門性が幅広い
  • 書類作成・多職種連携の調整業務が臨床時間を圧迫する
  • 繁忙による研修参加の機会不足がスキル不安を招く

言語聴覚士の離職率を下げるために職場が取り組むべきこと

STの定着率を高めるには、給与面だけでなく、成長を実感できる環境づくりが欠かせません。ここでは、職場として取り組みたい具体策を整理します。

教育・研修体制の整備による成長実感の創出

新卒・若手STの離職を防ぐうえで重要なのは、段階的な教育プログラムの構築です。しかし、STの配置人数が少ない職場では、体系的なOJTを組むこと自体が難しい場合もあります。

そこで活用したいのが、eラーニングを組み合わせた研修体制です。はぐくもでは、リハ職向けに2,200本以上の動画コンテンツを用意しており、摂食嚥下や高次脳機能障害などSTが臨床で直面しやすいテーマを体系的に学べる環境を整えられます。1本15〜30分、倍速再生対応のため、研修時間の扱いを整理したうえで、短時間の動画を計画的に活用できます。実際の動画ラインナップや操作感は、1ヶ月無料のフリートライアルで確認できます。

研修管理の自動化で管理者の負担を軽減

研修の企画・運営は管理者にとって大きな負担です。研修案内の送付、受講状況の確認、帳票作成といった作業を手動で行っている場合、本来の管理業務を圧迫するおそれがあります。

はぐくものLMS(学習管理システム)機能を使えば、動画選択・受講対象スタッフの指定・研修期間の設定が3ステップで完了します。リマインド送信や帳票作成も自動化されるため、管理者の工数削減につながります。具体的な機能や導入費用は、資料請求ページから確認できます。研修準備にかかる時間を減らし、その分をスタッフとのコミュニケーションに充てることが、定着率向上の第一歩です。

助成金の活用による研修コストの削減

研修体制を充実させたくても、コスト面が課題になるケースは少なくありません。はぐくもは人材開発支援助成金の「定額制訓練」対象サービスです。経費助成率は中小企業で60%です。助成金の活用方法を含む導入費用の詳細は、資料請求ページから確認できます。

また、はぐくも契約法人はリハノメ(約8.5万人登録のリハ職向けプラットフォーム)に求人情報を無料・期間無制限で掲載でき、採用コストの削減にもつながります。教育投資と採用コスト削減を同時に実現することで、限られた経営資源のなかでもSTの定着しやすい環境を整えやすくなります。

取り組み 期待される効果 活用できる仕組み
eラーニング導入 若手の孤立感解消・スキル不安の軽減 はぐくものリハ職向け動画コンテンツ2,200本以上
研修管理の自動化 管理者の業務負担軽減 はぐくものLMS機能(3ステップ設定)
助成金活用 経費助成率は中小企業で60% 人材開発支援助成金(定額制訓練)
求人掲載の効率化 採用コスト削減・応募数増加 リハノメへの無料求人掲載

長く働ける職場を見極めるためのチェックポイント

STとして転職や就職を検討する際、待遇面だけでなく職場環境を多角的に評価することが長く働けるかどうかの判断につながります。以下のポイントを押さえておきましょう。

施設規模と組織体制の確認

医療・福祉分野では、施設規模や組織体制によって教育環境や相談体制に差が出ることがあります。規模が大きい施設はSTの複数配置がされやすく、同職種間での情報共有や相互サポートが機能しやすいためです。

ST部門のスタッフ数や、多職種連携の体制が整っているかどうかを面接時に確認しましょう。とくに新卒・若手の場合、先輩STがいるかどうかは成長スピードに関わる重要な条件です。

給与・キャリアパスの透明性の見極め

給与条件を見る際は、基本給だけでなく、昇給制度や手当の内訳を具体的に確認しましょう。訪問看護など在宅支援の領域では、インセンティブ制度を導入している事業所もあり、件数に応じた収入アップが見込める場合があります。

加えて、管理職や専門領域のスペシャリストなど、キャリアの選択肢が複数用意されている職場は長期的なモチベーション維持に役立ちます。「何年働いたらどのポジションを目指せるか」が明示されているかを確認しましょう。

教育環境と柔軟な働き方への対応

研修の機会がどの程度確保されているかは、長く働ける職場を見極めるうえで重要な判断材料です。外部研修への参加費補助、eラーニングの導入状況、学会発表のサポート体制などを確認しましょう。

女性比率の高い言語聴覚士の職場では、時短勤務・育休後の復職支援・シフトの柔軟性も定着率に大きく影響します。面接時に「育休取得実績」「復職後の働き方の事例」を質問することで、職場の支援姿勢が見えてきます。

  • ST部門の人数と先輩STの有無の確認
  • 昇給制度・手当の内訳・キャリアパスの明文化の有無
  • 外部研修やeラーニングなど学習環境の充実度
  • 育休取得実績・時短勤務の可否・復職支援の有無
  • 訪問看護など在宅支援の場合はインセンティブ制度の有無と条件

よくある質問

言語聴覚士の離職率は何%ですか?

ST単独の離職率を示す公的統計データは、取得が難しいのが現状です。医療・福祉分野の関連データは参考になりますが、STに特化した数値ではないため、職場選びでは教育体制や同職種の配置人数もあわせて確認しましょう。

言語聴覚士を辞めても再就職はしやすいですか?

STの有効求人倍率は4.26倍(令和6年度)と高い水準です。国家資格を保有しているため、経験年数が浅くても比較的再就職しやすい環境にあります。ただし、短期間での転職を繰り返すことは書類選考で不利に働く可能性があるため、教育体制や同職種の配置人数を事前に確認しましょう。

新卒の言語聴覚士が1年以内に辞めるのは問題ありませんか?

職場環境が合わない場合、無理に続けるよりも早めに環境を変えるほうが長期的なキャリアにとってよい選択になることもあります。ただし、次の職場では同じミスマッチを繰り返さないよう、教育体制や同職種の配置人数、外部研修の補助制度を事前に確認することが大切です。

言語聴覚士が安心して働き続けるために今できること

言語聴覚士の離職率に関する職種単独の公的統計は確認しにくいものの、給与水準への不満、若手の孤立感、人手不足による業務負担など、退職につながりやすい課題はあります。一方で、有効求人倍率4.26倍という数字が示すとおり、STは需要の高い職種です。

管理者の立場では、教育研修体制の整備、研修管理の効率化、助成金を活用したコスト最適化に取り組むことで、スタッフの定着率を高められます。STとして転職を考えている方は、施設規模・キャリアパスの透明性・教育環境・働き方の柔軟性を総合的にチェックしてください。面接時には、STの配置人数、教育担当者、外部研修費補助、育休後の復職事例を確認しましょう。

この記事のまとめ

  • ST単独の離職率は公的統計では確認しにくく、関連データを参考にする必要がある
  • 給与水準への不満・若手の孤立感・業務負担の増加が退職要因になりやすい
  • 教育体制や研修管理を整えることで、STが長く働きやすい環境づくりにつながる