「スタッフ研修をeラーニング化したいが、教材作成の進め方がわからない」とお悩みの管理者の方もいるでしょう。感じている方もいるでしょう。eラーニングは、目的の明確化から教材制作・テスト運用まで、手順を押さえれば自施設でも作成できます。
本記事では、eラーニング教材の作成方法を内製・ツール活用・外部委託の3パターンで整理したうえで、作成手順を5ステップで解説します。効果を高めるためのポイントやおすすめツールも紹介するため、自施設に合った方法を見つける参考にしてください。
この記事でわかること
eラーニング教材を用意する方法は、大きく「自社で内製する」「作成ツールを活用する」「外部の制作会社に依頼する」の3つに分かれます。それぞれの特徴を理解し、コスト・品質・更新のしやすさを比較して、自施設に合った方法を選ぶことが大切です。
既存の研修資料や社内の専門知識を活かして教材をゼロから作る方法で、コストを抑えやすい点が大きなメリットです。たとえば、日々の業務マニュアルや社内カンファレンスの録画をそのまま教材に転用すれば、撮影や編集にかかる追加費用を抑えられます。
一方で、教材設計のノウハウや制作に充てる時間が必要になるため、担当者の負担が大きくなりがちです。訪問看護ステーションのように少人数で運営している施設では、管理者が一人で教材作成から配信まで担うケースもあります。内製を選ぶ際は、作業を分担できる体制を事前に整えておくことが大切です。
教材作成ツール(オーサリングツール)を使えば、専門的なプログラミングスキルがなくてもわかりやすいeラーニング教材を作成できます。PowerPointのスライドを動画教材に変換するタイプや、ドラッグ&ドロップで直感的に操作できるタイプなど、ツールの種類は幅広くあります。
ツール選定では「自社の教材形式に合っているか」「LMSとの連携は可能か」の2点を必ず確認しましょう。クイズ機能やテスト作成機能が備わったツールを選ぶと、受講後の理解度チェックまでまとめて対応でき、運用の手間が大きく減ります。
映像の品質やインストラクショナルデザインの専門性を求めるなら、外部委託も選択肢の一つです。プロの映像制作チームが撮影・編集・ナレーションを担当するため、見やすい教材を短期間で完成させやすいのが強みといえます。
ただし、制作内容によって高額になるケースもあり、コンプライアンス研修や法定研修のように頻繁に内容を更新する教材では、更新費用も含めた検討が必要です。外注を検討する場合は、更新頻度とコストのバランスを慎重に見極めてください。
3つの方法はいずれも一長一短があるため、以下の比較表を参考に、予算・社内リソース・求める品質から優先順位をつけましょう。
| 比較項目 | 自社内製 | 作成ツール活用 | 外部委託 |
|---|---|---|---|
| コスト | 低い | 中程度 | 高い |
| 制作スピード | 担当者次第 | 比較的速い | 依頼〜納品に時間がかかる |
| 品質 | 担当者のスキルに依存 | テンプレートで一定水準を維持 | 専門的な品質 |
| 更新の柔軟性 | 高い | 高い | 都度費用が発生 |
| 向いている教材 | 業務マニュアル、事業所内研修 | 汎用的な研修全般 | 大規模・高品質が必要な教材 |
訪問看護ステーションでは、診療報酬改定や介護報酬改定に合わせて、研修内容の見直しが必要になる場合があります。そのため、内製とツール活用を組み合わせ、更新しやすい体制を整えておくことが大切です。
ここからは、eラーニング教材を実際に作成する際の具体的な手順を5つのステップで解説します。目的の明確化から品質チェックまで、順番に進めていけば初めての方でもスムーズに教材を完成させやすくなります。
最初に取り組むことは「誰に・何を・なぜ学んでもらうのか」を明確にすることです。たとえば訪問看護ステーションであれば、新人リハ職向けの基礎研修なのか、全スタッフ向けのコンプライアンス研修なのかで教材の内容や難易度は大きく異なります。
課題をヒアリングやアンケートで洗い出し、SMART目標(具体的・測定可能・達成可能・関連性がある・期限付き)に落とし込むことで、後工程でのずれを防げます。Google Formsなどの無料ツールを活用すれば、スタッフへのアンケート作成と回収を効率化できます。
目的が定まったら、教える内容をリストアップしてわかりやすい順番に並べ替えます。マインドマップツール(MindMeisterやXmindなど)を使うと、情報のグループ分けや優先順位の整理を視覚的に行えるため効率的です。
1つのセクションを短時間で完結する単位に分割すると、訪問業務の合間でも受講しやすくなります。短時間で学習を区切る設計は、移動や記録業務の合間に学ぶスタッフが多い現場で特に有効です。各セクションには学習目標と所要時間の目安を記載し、受講者が達成感を得やすい構成にしましょう。
内容の構成が決まったら、設計書として文書化します。設計書には、全体のスケジュール、使用するファイル形式、評価方法、デザインの方向性などを記載し、関係者と共有することで認識のずれを防ぎましょう。
設計書の段階で「動画・スライド・PDFの組み合わせ」と「更新ルール」を決めておくと、将来的に教材を更新しやすくなります。Google DocsやMicrosoft Wordの共同編集機能を使えば、複数人で同時にレビューできるため、チェック作業の時間を短縮できます。
| 設計書に盛り込む項目 | 具体的な内容例 |
|---|---|
| 研修テーマ | 新人向け接遇マナー研修 |
| 教材形式 | 動画(15分×4本)+確認テスト |
| 対象者 | 入職1年目のリハ職・看護職 |
| 配信期間 | 4月1日〜4月30日 |
| 評価方法 | テスト80%以上で合格、レポート提出 |
| 更新頻度 | 年1回(制度改定時は都度) |
設計書に沿って、実際の教材コンテンツを制作するステップです。文章・画像・動画を効果的に組み合わせ、受講者が理解しやすいシンプルな表現を心がけてください。既存の研修資料やカンファレンスの録画がある場合、それらを動画教材の素材として活用すると制作時間を大幅に短縮できます。
教材の中にクイズやテストを挿入することで、受講者の理解度を確認しながら学習効果を高めることができます。選択式と自由記述式を組み合わせたテストを設計すれば、知識の定着とアウトプットの両方を促せます。はぐくもではアンケート・研修テスト作成機能を標準搭載しており、視聴完了後に自動でテストを表示する設定もできるため、テスト作成の手間を削減しながら効果測定を行えます。
完成した教材をいきなり全体配信するのではなく、まず少人数でテスト運用を行い、品質を確認しましょう。実際の受講者と同じ環境(スマートフォン・タブレット・PC)で動作確認を行い、表示崩れや操作性の問題がないかをチェックします。
テスト運用で得たフィードバックをもとに、内容の過不足や理解しにくい箇所、所要時間を修正してから本格配信に移ることが、受講完了率を高めるために大切です。複数人でのレビューを経ることで、誤字脱字や専門用語の過不足も見つけやすくなります。
受講履歴やテスト結果を確認できない教材は、法定研修や新人研修の管理に使いにくくなります。ここでは、受講者の学習効果と管理者の運用しやすさを両立するために、eラーニング作成で意識したい5つのポイントを紹介します。
情報を詰め込みすぎた教材は、受講者の集中力を奪い、学習効果を下げる原因になります。1画面に載せる情報量を絞り、テキストは箇条書きや図表を活用して視覚的に整理することを意識してください。
動画教材は1本あたり15〜30分を目安とし、倍速再生に対応させることで、忙しい現場スタッフでも学習しやすくなります。はぐくもでは0.5倍〜2.0倍の倍速再生に対応しており、倍速再生を活用すれば10〜15分程度で視聴できるものもあります。さらにiOS/Androidアプリでのダウンロード・オフライン再生が可能なため、訪問先への移動中など通信環境が不安定な場面でも学習を継続できます。動画教材は1テーマを短く区切ると、忙しい現場スタッフでも学習しやすくなります。長時間の動画を1本で見せるよりも、目的ごとに分けて構成した方が、必要な内容を振り返りやすくなります。スマートフォンでの視聴やオフライン再生に対応しているかも、現場で使いやすい教材環境を選ぶ際の確認ポイントです。
一方的に動画を視聴するだけの教材では、受講者の集中力は長続きしません。クイズ・確認テスト・レポート提出など、受講者が自分で考えながら参加できる要素を取り入れることが大切です。
進捗表示や完了通知の仕組みがあると、受講状況を把握しやすくなり、未受講者への声かけもしやすくなります。また、スタッフ間で「おすすめ動画」を共有できる機能があると、現場の学習ニーズを研修内容に反映しやすくなります。はぐくものスタッフ間動画おすすめ機能や研修リクエスト機能は、こうした自発的な学びを後押しする仕組みです。また、受講後アンケートや研修希望の聞き取りを取り入れると、現場の学習ニーズを次回以降の教材作成に反映しやすくなります。
eラーニングは「作って終わり」ではなく、配信後の効果測定と改善のサイクルが学習効果に影響します。受講率・テストの正答率・レポートの内容・受講者アンケートのデータを定期的に分析し、改善点を特定してください。
LMSの分析機能を活用すれば、どの教材で離脱が多いか、どのテスト問題の正答率が低いかを数値で把握でき、改善の優先順位を客観的に判断できます。はぐくもの研修実績帳票出力機能を使えば、特定のスタッフや研修ごとの実績データを自動で出力できるため、管理者の手作業を大幅に削減しながら改善を進められます。受講履歴や研修実績を出力できる仕組みがあれば、管理者の手作業を減らしながら、教材改善や未受講者へのフォローを進めやすくなります。
訪問看護ステーションでは、診療報酬改定や介護報酬改定に伴い、研修内容を見直す必要があります。教材の作成段階から、更新のしやすさを意識して設計しましょう。
教材をセクション単位で独立させておけば、変更が必要な部分だけを差し替えるだけで済み、全体の再制作を避けられます。オリジナル動画のアップロード機能を持つLMSを選べば、施設で撮影したオリエンテーション動画や業務マニュアル動画をすぐに研修コースへ組み込めます。はぐくもでは、アップロードしたオリジナル動画を既存の研修コースに自由に組み込めるため、制度改定時にも教材を更新しやすくなります。既成教材だけでなく、自施設で作成した動画や資料を研修に組み込めるLMSを選ぶと、施設独自のオリエンテーションや業務マニュアルも共有しやすくなります。
eラーニング教材を作成する際に見落としやすいのが著作権の問題です。書籍やWebサイトの文章、他者が撮影した画像・動画を無断で教材に使用すると、著作権侵害に該当するおそれがあります。
引用の要件(出典明記・主従関係の明確化・必要最小限の範囲)を満たしているか、使用するフリー素材のライセンス条件を確認しているかを、教材公開前に確認してください。社内研修であっても著作権法の適用を受けるため、法務担当者や外部の弁護士に確認できる体制を整えておくと安心です。
| 素材の種類 | 注意点 | 対策例 |
|---|---|---|
| 書籍・論文の文章 | 引用要件を満たすこと | 出典を記載し、引用範囲を最小限にする |
| Web上の画像 | 商用利用可否を確認 | クリエイティブ・コモンズなどのライセンスを確認する |
| BGM・効果音 | 著作権フリーであることを確認 | フリー音源サイトの利用規約を事前に確認する |
| 既存研修の録画 | 登壇者の肖像権・許諾 | 撮影前に使用範囲の同意書を取得する |
eラーニング教材の作成に使えるツールは数多く存在しますが、用途や目的に応じて適切なものを選ぶことが効率的に教材を作るためのポイントです。ここでは、タイプ別に代表的なツール・サービスを紹介します。
すでにPowerPointで研修資料を作成している施設にとって、既存のスライドをそのままeラーニング教材に変換できるツールは効率的です。iSpring SuiteはPowerPointのアドインとして動作し、ナレーション録音・クイズ作成・動画挿入をPowerPoint上で進められるため、新たな操作を覚える負担が少なく、取り組みやすいのが特徴です。
PowerPoint変換タイプのツールは、テキストや図解中心の教材に向いています。操作手順のデモンストレーションや実技を伴う教材には、次に紹介する動画撮影・編集タイプのほうが適しているでしょう。
臨床手技の実演や現場での対応手順など、映像や操作を交えて伝える教材を作成する場合は、インタラクティブ教材の作成に対応したツールが適しています。Adobe Captivateは、PowerPoint資料を活用した教材作成やレスポンシブ対応、インタラクティブな学習コンテンツの作成に対応している点が特徴です。
無料ツールとしてはCanvaのビデオ編集機能も初心者に使いやすく、ドラッグ&ドロップで手軽にビジュアル教材を作成できます。ただし、動画教材は容量が大きくなりやすいため、配信先のLMSがストリーミング再生やオフライン再生に対応しているかを事前に確認しておきましょう。
教材の作成だけでなく、配信・受講管理・効果測定までを一元管理したい場合は、LMS(学習管理システム)一体型のサービスが向いています。教材作成ツールとLMSを別々に導入すると、データ連携の手間やコストが発生するため、最初から一体型を選ぶことで運用負担を軽減できます。
医療・介護分野の研修を扱う場合は、教材作成だけでなく、配信・受講管理・研修記録まで一元管理できるLMSも比較候補になります。はぐくもはリハ職・看護職などに対応したeラーニングと研修自動管理システムが一体となったサービスで、研修準備から案内送信・リマインド・帳票作成までを自動化できます。リハ職向け2,200本以上、ケア職向け740本以上、ナース職向け620本以上の動画コンテンツが用意されており、毎月20本以上の新作が追加されます。自作教材と既製コンテンツを組み合わせた柔軟な研修運用ができます。
| タイプ | 代表的なツール・サービス | 向いている用途 | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| PowerPoint変換型 | iSpring Suite | 既存スライドの教材化 | 有料(月額制) |
| 動画撮影・編集型 | Adobe Captivate / Canva | 実技・手技の動画教材 | 有料(サブスク)/ 無料プランあり |
| LMS一体型 | はぐくも / Moodle | 配信・管理・効果測定まで一元化 | 有料(サブスク)/ オープンソースあり |
導入費用を比較するときは、月額利用料だけでなく、教材作成にかかる工数、更新費用、受講管理にかかる手間も含めて確認しましょう。助成金の活用を検討する場合は、対象要件や申請期限が変わる可能性があるため、最新情報を確認したうえで判断することが大切です。
なお、はぐくもは人材開発支援助成金「定額制訓練」の対象サービスです。対象要件を満たす場合、経費助成率は中小企業の場合で60%となります。申請条件や必要書類は変更される可能性があるため、活用を検討する際は厚生労働省の最新情報を確認しましょう。助成金の活用方法を含む導入費用の詳細は、はぐくもの資料請求ページをご覧ください。実際の操作感を確かめたい方は、1ヶ月無料のフリートライアルで全機能をお試しください。
自社で内製する場合は、無料ツールを活用すれば教材作成そのものの費用は抑えやすくなります。ただし、LMSの利用料やオーサリングツールのライセンス費用が別途かかるケースがあります。
はぐくもの場合、視聴アカウントは1名880円(税込)ですが、マスタ機能+管理アカウント11,000円/月(税込)が必須です。視聴アカウントは5名から申し込めるため、6名利用の場合は月額15,400円(税込)が目安です。料金や助成金の活用方法は、資料請求ページから確認できます。費用を比較する際は、初期費用・月額費用・利用人数・教材数・管理機能・サポート範囲を確認しましょう。安く見えるサービスでも、教材作成や更新を外部に依頼すると総額が高くなる場合があります。導入前には、運用にかかる工数まで含めて比較することが大切です。
最も多いのは「教材に情報を詰め込みすぎてしまう」ケースです。1つの教材に多くのテーマを盛り込むと、受講者の集中力が続かず学習効果が下がります。
1セクション1テーマを基本とし、短時間で完結する構成にすることで、受講完了率を高めやすくなります。また、設計書を作らずにいきなり制作に取りかかると、手戻りが多くなるため注意が必要です。
LMSの機能によりますが、多くのサービスではオリジナル教材と既製コンテンツの組み合わせが可能です。はぐくもの場合、施設で撮影したオリジナル動画をアップロードし、既存の研修コースに組み込むことができます。たとえば、全社共通のコンプライアンス研修に施設独自のオリエンテーション動画を追加するといった運用が可能です。導入前に、動画・PDF・スライドなど自施設で作成した教材を登録できるか、既製コースへ組み込めるかを確認しましょう。たとえば、法定研修に施設独自のオリエンテーション動画を追加する運用が考えられます。
eラーニングの作成は、目的の明確化・内容整理・設計書作成・コンテンツ制作・品質チェックの5ステップで進めることが基本です。自社の予算やリソースに応じて内製・ツール活用・外部委託を使い分け、教材のシンプルさとインタラクティブ性を両立させることで、学習効果を高めやすくなります。
訪問看護ステーションでは、制度改定やスタッフの入退職に合わせて研修内容を見直す場面があります。更新しやすい教材設計とLMSによる管理の仕組みを整えることで、管理者の負担を抑えながら研修運用を続けやすくなります。
この記事のまとめ